せっかくのやり直しを躊躇(ちゅうちょ:ためらうこと)せず消すのが勉強ができん人の特徴です。
この問題の解説に関して中3のPさんが質問をしました。「なぜ、答えが4になるんですか?」
私はどこまで分かるのか尋ねました。「ルート2が1.4より大きく1.5より小さいところは分かる。」
しかし、なぜ小数第1位が4になるのかは分からないとのことです。
そこで、私は、Pさんに、1.4より大きい数は?と尋ねると、「1.5です。」と答えました。でも、ルート2は、1.5より小さいけん1.5はおかしいっちゃないと、と言うと。あっそうか、と言って「1.41」と言い直しました。
私は、その数字を解説部分のスペースに書くようにアドバイスしました。
1.41と書きました。
じゃぁ、次は?…
1.42、その次は?…1.43と書いたところで私はあたらためて尋ねました。
では、小数第1位の数は?
「4です。」
Pさんは理解したようです。
しかし、そのあと、おもむろに消しゴムを取って、さっき書き加えた1.41,1.42,1.43を消し去ってしまいました。
勉強をしているのになかなか点が取れないという人によくみられる行動です。つまり、わかったからもういらない、お役御免ということのようです。
やり直しノートを見ると、答えだけ、解き方だけ(まぁ、解きっぱなしよりまし)を書いているが、あきらかに模範解答を写しただけ(ときどき、写し間違いや写しの省略がある)。後から見て、どのように解いたかがまったく不明になっているのです。
では、なぜ、消してはいけないかというと、わからなくなったときや解き方を再確認したいときなどに記憶を呼び覚ますことができないからです。手がかりがないからです。
やり直しノートを作ることはすなわち解き方の手順を記録することです。それは、点が採れる勉強ができることに直結しています。