志義ゼミナールの夏期特訓講習では、苦手教科(単元)を克服するために、得意教科(分野)の学習を活用し、苦手教科を補強するという作戦を実施しています。

つまり、得意教科(単元)の学習方法を利用して苦手教科も勉強してみる。または、得意教科で苦手教科の得点をカバーする。というものです。

一般的な苦手教科の対処方法は、

  1. 克服するために勉強をする
  2. 完全に諦める

志義ゼミナールは、どちらでもありません。

原則苦手教科が足を引っ張らない程度に勉強をしてもらいます。もちろん、苦手教科が得意教科になればしめたものですが、あまり期待しません。つまり、苦手教科を克服はしません。(えっ、さっき克服するため、って書いてるちゃない?)

それより、ほんとうに得意教科で高得点をとれるくらいに勉強ができているかが問題です。

よく見かけるのが得意教科といいながら、学校考査では70点や80点止まりの人がいるからです。得意というならどんなに悪くても90点前後、普通は95点以上をとってもらいたいです。

「えぇー、そこまではできん。」と得意教科でさえ勉強を渋る人が、なんで、苦手教科を必死に勉強できるのだろうかと不思議に思えるのです。

したがって、まず、得意教科を徹底的に志義では勉強してもらいます。もう、これ以上得点アップは望めませんと限界値を超えるまでがんばってもらいます。

苦手教科では足を引っ張らない程度の得点をゲットする勉強をしてもらいます。それは、基本的な問題を丸暗記するくらい練習するということです。

つまり、克服することが目的ではなく足を引っ張らない程度の学習を続けることが目的です。

そして、それができたら苦手教科を克服したことにします。(超、いい加減!)

よく見かける「数学が苦手で、特に一次関数の応用や図形関連の問題ができません。」と言ってくる子は、実は計算が苦手だったり、重要語句・公式などをほどんど覚えていないという人です。

問題を解説し解き方の式をつくって、最後の計算だけを本人にやらせてみるとなかなか正解しないというのを体験します。つまり、計算がきちんとできない、できても遅い(時間がかかる)またはできる時もあればできない時もある。つまり計算力がない!

そもそも、問題分の意味がまったく理解できていない、一次関数の一般式(y=ax+b)さえも知らない。なんてこともザラにあります。図形の証明では、合同条件からはじまりすべての定理などまったく知らないということもあります。

もはや、問題を解く以前の問題ですね。

英語では、長文が苦手ですといって、一語一語単語を和訳させてみると、できない。wantを「ウェント:行った」としたり、hereを「ハァ−」と読んで、意味不明になったり(逆もあり、herを「ヒィアー」とする)して、まぁ大変です。

結局、苦手教科を勉強してもらうには、基本事項を繰り返し練習してもらうのが一番得点につながるのです。

たまに、こんな人もいます。

いつも80点くらいで、なかなか90点台に乗らないという人です。
このようなタイプの学習方法は短い時間にたくさん処理するという練習をします。わざと、ミスがでることを前提にとにかくたくさん処理します。そのあと、ていねいにやり直しをします。量も質のうち作戦です。制限時間50分のテストなら30分で終わらせるのです。このとき、いい加減にやり始める子が出てきます。その子にとって80点が限界値であることがわかります。なぜなら、もうそれ以上工夫する余地が残っていないからです。しかし、最後まで諦めずにきちんと繰り返し練習しやり直しをする子は、自然と得点が伸びてきます。

まぁ、ざっと苦手教科と得意教科の勉強について私見を述べてみましたが、実践するのはとても面倒です。だから、最後まで頑張っている子はみんなそれなりの成果(点取りの技術)を手に入れています。得点として目に見えるものもあれば、真摯な学習姿勢という目にははっきりと見えないものもあります。